インタビュー

健康のためにもレシピには積極的に大豆を取り入れています(パパ料理研究家・株式会社ビストロパパ代表取締役 滝村雅晴さん)

ビストロパパ社は創立15周年を迎えました。今回作っていただいた「土鍋で炊く 大豆入り五目炊き込みごはん」が持つ栄養面だけではないすごいパワーや、長女の誕生によって生まれた「ビストロパパ」開業秘話、パパ料理の意義などについて伺いました。

大切な誰かを「生かす」ことができるのが料理

食べることは生きること、生きることは食べること。私は「食事」には、「献立」を考え、「食材」を手に入れ、「料理」をし、「配膳」し、「食べ(小さなお子さんがいれば食べさせる)」、そして最後に「片づけ」をするという6つの工程があると考えています。毎日この工程を踏むことで、私たちの生命は生かされています。このすべてを誰かが一人で背負ったら大変です。でも、料理ができなければ誰かに依存することになります。それは本当の意味で自立した人間とは言えません。多くの男性は、パートナーに食事を依存していると私は思います。

時間は人間に与えられた平等なものですが、食事を誰かに依存することは、その人の大切な時間を奪うことです。作ってくれた人の料理に「生かされている」ことに、もっと感謝すべきです。逆に言えば、料理ができれば、大切な誰かを「生かす」ことができます。そんなパパが世の中にたくさん溢れてほしい、そんな願いからビストロパパは始まりました。依存しなければ食事できないなんて、不自由な生き方ですよね。本当に自立した大人になるため、自由に生きるため、パートナーの大切な時間を奪わないため、そして家族の健康を守るため、家族の笑顔を創出するためにパパができること、それが料理です。

そういう私も長女が生まれるまでは、いっさい料理はしませんでした。妻と2人で外食か中食ばかり。長女の誕生とともに「家庭でおいしい料理が食べたい」「家庭の料理をこの子と共有したい」と思ったのが、料理を始めるきっかけでした。私に料理の楽しさと、人を幸せにする料理の持つすごい力を教えてくれたのが長女です(難病のため他界)。

一度休んでいたブログを再開したのは2006年1月19日、次女が生まれたときです。それから毎日、作った料理をブログに上げているので、次女は生まれたときから今に至るまで、毎日何を食べて育ったのか、すべてを写真で見ることができます。

大豆製品は我が家に欠かせない定番の常備食材

料理に関してはいくつかお気に入りの食材がありますが、特に大豆製品は料理に欠かせない食材で、冷蔵庫には、豆腐と油揚げ、豆乳が常に入っています。これらの大豆製品はどんな食材とも相性が良く、使い勝手が抜群に良いからです。ゆで大豆と煎り大豆も必ず常備しています。

大豆はたんぱく質を豊富に含んでいます。免疫細胞の主成分はたんぱく質であり、筋肉や肌など体のあらゆる部分を構成しているので、健康のためにもレシピには積極的に大豆を取り入れています。大豆は畑の肉といわれるように、アミノ酸スコアが100で、肉と魚と同レベルの実力があります。肉類には含まれない食物繊維も豊富で、カルシウムも牛乳と同量。日ごろからしっかり摂取したい大切な栄養素です。アメリカ大豆は環境への負荷を抑えたサステナブルな農法で生産されていると聞いています。生産体制や流通、品質管理などのトレーサビリティーもしっかり確立していることで安心して食べられますよね。

私は煎り大豆をおやつとしてだけでなく、サラダにかけたり、チャーハンに混ぜたり、さまざまな場面で登場させます。カリッとした食感が加わり、食べ応えとボリュームが格段にアップします。

忙しい毎日を日々送っていますが、そういうときこそよく作るのが、油揚げ、鶏肉、ごぼう、にんじんを入れた「大豆入り五目炊き込みごはん」です。1品でたくさんの種類の栄養が摂れ、小さな茶碗1杯食べるだけで栄養バランスはばっちりです。土鍋の蓋を開けて食卓で湯気とともに立ち上がる匂いに、家族みんなが癒やされ、テンションも上がります。味も感動的なおいしさです。お父さんがこの「大豆入り五目炊き込みごはん」を炊いたら、間違いなくヒーローになるでしょう。家族を笑顔にするだけでなく、家族一人ひとりが自由に、そして自分らしく生きることを体現した料理です。ぜひ作ってみてください。

パパ料理研究家・株式会社ビストロパパ代表取締役

滝村雅晴さん

パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。料理教室YouTuber、トモショクキッチンオンラインの料理教室主宰。日本パパ料理協会 会長飯士。農林水産省食育推進会議専門委員(2013年12月~2022年6月)、大正大学客員教授。料理を通して、家族の食育・共食と健康作り、ワークライフバランスやウェルビーイングを推進し、ジェンダー平等な社会の実現を目指す日本で唯一のパパ料理研究家として活動。オンライン料理教室の企画・運営・プロデュースを中心に、食材セットの企画、料理動画の制作、コミュニティーの運営などデジタル食育の推進や、ビストロパパ社やデジタルハリウッド社でのノウハウを生かした広報・PR・ブランディングのコンサルティングを行う。著書に『パパ料理のススメ』(赤ちゃんとママ社)、『ママと子どもに作ってあげたい パパごはん』(マガジンハウス)、「生き抜くためのごはんの作り方 悩みに効く16人のレシピ 14歳の世渡り術シリーズ」(共著/河出書房新社編)、「家族を笑顔にする パパ入門ガイド」(一部執筆/池田書店)、「新しいパパの教科書」(一部執筆/学研プラス)がある。