インタビュー

大豆は私にとってなくてはならない食材のひとつです(粮理家・ウェルネスフードスタイリスト 松見早枝子さん)

“からだと心の粮(かて)になる料理を”をモットーに、粮理家・ウェルネスフードスタイリストとして活躍中の松見早枝子さんに、今回、レシピを作っていただいた「鶏ときのこのソイカレー」のこと、食への思い、また、ご自身のお仕事について伺いました。

自分でプロデュースした料理教室では
生徒さんのリアルな声が届く

私がレシピを書き始めたのは、ミス・インターナショナルとして活動していた20年ほど前にさかのぼります。今では使い古された感のある”食べて美しくなる”という考え方が、当時はまだ浸透していなくて、きちんと食べつつ、体調や体型を管理するには、自分でレシピを考えるしかありませんでした。その後、レシピ本を出したことをきっかけに料理研究家になりましたが、好きではない食品も薦めなければならないことに疑問を感じるようになったんです。そこで、今後の人生について考えた結果、本当にやりたいことをやろうと、思い切ってそれまでの仕事をすっぱり辞め、自分が一からプロデュースした、料理教室を開講することを決意しました。

料理教室は、とても大変ですが、とても楽しいです! 料理研究家の頃は、実際に考案したレシピでお料理を作ってくださる方と直接お会いする機会はなかったので、生徒さんのリアルな声を聞くことができるのが新鮮です。

料理教室を始めて今年で5年目。ようやく少し余裕も出てきて、料理教室以外の仕事も再開しました。今後はさらに活動の幅を広げ、私の思いも積極的に発信していきたいとも考えています。日本の木材を使った調理器具の開発などもやってみたいです。やりたいことは、まだまだたくさんあります。

大豆を食べようと思うのは
健康に関心が向いているタイミング

大豆を食べようと思う時って、多かれ少なかれ、健康に関心が向いているタイミングだと思うんです。そんなこともあって、お料理の油がお皿にこびりつかない、洗剤を使わずとも水で使用した調理器具を洗えるようなヘルシーさを意識しました。さらさらといただけるカレーになっていると思います。

レシピは食材から出る旨味を大切にすること、また、作りやすさを意識して作っています。たとえば複数の鍋を使ったりせず、最低限の行程で美味くできるように心がけています。今回の「鶏ときのこのソイカレー」もとても簡単で、そして、ヘルシーです。ぜひ作ってみてください。

大豆はもともと大好きですし、私にとってなくてはならない食材のひとつです。なんといっても、初めて出版したレシピ本のタイトルは、『雑穀・豆・野菜できれいになるレシピ』(文化出版局)ですから(笑)。

ここ数年、ヴィーガン食に注目が集まっていることで、より大豆が存在感を増しているようにも思います。主宰している料理教室で、味噌のレッスンを行うこともあり、その際は尋常ではないくらいたくさんの大豆を茹でます(笑)。日常生活では、サラダやスープに使うことが多いですね。今回のレシピのように、カレーに入れてボリュームを出すこともあります。大豆の加工品を使うことも多いです。厚揚げ豆腐はボリューム感を出すのに重宝しますし、フムスを作ることも。乾燥で売っている大豆麹も美味しいです。なかでも、よく作っているのが、豆乳を使ったホワイトソースです。牡蠣との相性は抜群です! 味噌や柚子胡椒で味を付けたり、また、デザートに使うこともあります。豆乳って、1リットルを使い切るのが意外と難しかったりしませんか? ホワイトソースにすると冷凍できるので便利ですよ。

粮理家・ウェルネスフードスタイリスト

松見早枝子さん

2003年度ミス・インターナショナル日本代表を経て、美と健康をテーマとした「ビューティレシピスト」として活動していたが、“美は⼼⾝の健康あってのもの”との信条のもと、2019年に肩書を「粮理家・ウェルネスフードスタイリスト」と改めた。現在は、より多くの人の⼼⾝の健康に貢献すべく、雑誌、広告、テレビ、ラジオ、イベント、講演会等各メディアで活躍中。企業広告の料理制作のほか、テレビドラマの料理監修なども行なっている。2017年に、“おもてなし”と“エイジングケア”をテーマにした料理教室『Tronc(トロン)』を開講。ワインスクールの講師も務めるなどワインへの造詣も深い。著作に、『雑穀・豆・野菜できれいになるレシピ』(文化出版局)、『松見早枝子のリセット・ビューティ・レシピ』(講談社)など。
公式インスタグラム http://www.instagram.com/saekomatsumi/