食べ飽きない栄養豊富な大豆はアスリート飯にも最適(料理研究家 / トライアスリート 高橋善郎(たかはし よしろう)さん)
さまざまな国際大会でトライアスロン日本代表としても活躍する「走る料理研究家」、高橋善郎さん。トライアスリートとしてパフォーマンス維持のために心がけていることや、二児の父親として安心安全な食材へのこだわりについてお話を伺いました。
ほかの食材の良さを引き出す大豆製品は
アスリートフードとしてもバランスの良い食材
アスリートフードから店舗メニュー、家庭料理まで、幅広いレシピ開発を手がけていますが、私自身、トライアスリートとして重宝している食材が大豆製品です。良質の植物性タンパク質のほか、脂質、カルシウム、ビタミンE、ビタミンB2、葉酸、カリウム、食物繊維を含み、そのうえ低糖質です。
レシピ開発をするうえで、大豆製品はどんな食材・調味料とも相性が良いところが魅力です。食が偏りがちなアスリートの栄養管理においても、大豆製品を加えることでバランスが格段に良くなります。
しかも、植物性なので消化が早くて胃腸への負担が少なく、アスリートのパフォーマンスを上げる食事を提供しやすいのもメリットです。ほかの食材の邪魔をしない、むしろ引き立てる、しかも食べ飽きないという三拍子が揃っています。
よく使う大豆製品が豆乳です。豆乳を使うと、味に深みとコク、まろやかさが加わり、「味変」としてさまざまなバリエーションが生まれます。私は、和食をベースにしたエスニックやイタリアン、オーガニックなど幅広いジャンルを得意としますが、カレー粉や味噌、めんつゆ、豆板醤など、豆乳はどんな調味料でも相手の良さを引き出し、かつ控えめに自己主張をしながら実力を発揮します。
冷蔵庫に豆乳があればさまざまなバリエーションが展開できます。大豆製品のなかでいま注目しているのは大豆麺です。食感がモチモチしていて、不足しがちな食物繊維やタンパク質を麺で補えるだけでなく、糖質オフにも貢献します。
よく作るメニューは豆乳担々麺で、うちの家族もみんな大好物です。子どもたちには豆板醤なしで作りますが、豆乳と麺つゆの組み合わせは最強で、誰でも失敗なく作れます。使う麺は、うどんやパスタ、中華麺、大豆麺など何でもO K。ご飯とも合いますし、湯豆腐のスープにすれば豆腐in豆乳のダブル大豆が楽しめます。
サステナブルなSSAP認証大豆で
安心安全なメニューを提供
大豆の素晴らしさに魅了され、「豆腐バー」の開発にも携わりました。コンビニでも販売され、今や究極のタイパ飯(タイムパフォーマンスに優れた食事)として国民的な人気になっています。運動後や間食などに手軽に利用でき、植物性たんぱく質量は絹ごし豆腐の約2.7倍です。うちの子どもたちも豆腐バーの大ファンです。
豆腐バーには、SSAP認証大豆が使用されています。SSAP認証とは、USSECが策定したアメリカ大豆のサステナビリティプログラムの1つで、環境・社会・経済面におけるサステナビリティの成果の長期的な改善に貢献しています。
実はSSAP認証大豆のことをよく知りませんでしたが、子どもが生まれてから安心安全な食材への関心が高くなりました。アメリカ大豆は、種子生産から選別、保管、出荷、流通、加工業者、小売へわたる段階ごとに管理され、サプライチェーンの透明性が保たれています。流通経路だけではなく、産地や農法、品種情報などを把握・管理するトレーサビリティもしっかり確保されていることに感心しました。
日本の大豆は国内生産が6%で9割を輸入に頼っています。そのうち7割近くがアメリカ大豆。私たちが毎日口にする食卓にはなくてはならない味噌や醤油、納豆、豆腐、豆乳、食用油といった大豆製品をアメリカ大豆が支えてくれています。
食のサステナビリティが保たれていると、SDGsの観点でも素晴らしく、我が家の子どもたちにも安心安全な食材を食べさせることができますし、アスリート向けレシピ開発においても、私が経営している店舗においても、自信を持って大豆製品を提供することができます。
これからも好きな豆乳をはじめ大豆製品を活用したヘルシーなレシピを積極的に開発して、アスリートやお客さんの健康に貢献していきたいと思います。
料理研究家 / トライアスリート
高橋善郎(たかはし よしろう)さん
1988年、神奈川県生まれ。和食料理人の父親のもとで幼少期から料理の基礎を学ぶ。大学卒業後、日本食研に勤務。和食料理店での店長勤務を経て、料理家として独立。トライアスリートとして数々の国際大会に日本代表として出場。走る料理家として、「食✕健康✕スポーツ」の普及活動を行う。2020東京パラリンピックパラ卓球ナショナルチーム公認アスリートフードコーチとして選手をサポート。主著書に『おつかれ。ワインつまみ』(主婦の友社)、『燃やすおかず つくりおき』(学研プラス)ほか多数。2歳と0歳の二児の父親。食品メーカーのレシピ開発、店舗コンサルティングを中心に多数のメディアで活躍中。東京世田谷の和食料理店 「凧(はた)」「凧 HANARE」の代表。
http://yoshiro-takahashi.com