大豆のマメ知識

04 体調管理に必須の栄養素! 大豆に多く含まれるビタミン5種

実は大豆には、ビタミンが豊富に含まれていることをご存知でしょうか。ビタミンは人体の機能を正常に保つために必要な栄養素であり、体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要があります。今回は大豆に多く含まれるビタミンについて紹介します。

体の機能を調整するビタミン

ビタミンは、微量で体のさまざまな機能を調整する、生命活動に必須の有機物です。ビタミンと同様に微量で体の働きを調整する物質にホルモンがありますが、ホルモンは体内で作り出すことができる一方、ビタミンは体内で作ることができないため、食品から摂取しなければなりません。

ビタミンには、水に溶けやすい水溶性ビタミンと、水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性ビタミンがあります。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には13種類のビタミンが収載されており、水溶性ビタミンは9種類、脂溶性ビタミンは4種類となっています

大豆に多く含まれる水溶性ビタミン

水溶性ビタミン9種類のうち大豆に割合多く含まれているのは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸です。水溶性のビタミンは熱に弱く、水に溶けやすく、多く摂取しても尿中に排泄されやすいという特徴があります。過剰摂取にはなりにくいものの、欠乏症になりやすいといわれています。

ビタミンB1は大豆100gあたり0.71mg含まれています。摂取した大豆の糖質は酵素の働きにより分解され、エネルギーに変わります。ビタミンB1はこの酵素が働くときに必要な「補酵素」で、糖質の代謝に不可欠です。

ビタミンB1と同様にエネルギー生成の役割を担っているのが、ビタミンB2です。ただしビタミンB2は糖質だけでなく脂質、タンパク質の代謝にも関わっています。中でも脂肪が燃焼されるときに多く消費されるほか、タンパク質の合成に関与し、皮膚をはじめさまざまな細胞の新生に関わっています。ビタミンB2は大豆100gあたり0.26mg含まれますが、大豆の加工食品である糸引き納豆には、納豆菌によりビタミンB2が作り出されるため、100gあたり0.56mg含まれています。

野菜や果物よりは少ないですが、大豆にもビタミンCが含まれています。ビタミンCは私たちの皮膚や体を構成する細胞のコラーゲンの構成に必須の栄養素です。コラーゲンはタンパク質の一種であり、体を作るタンパク質の30%を占めています。体内コラーゲンの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在しますが、ビタミンCはこれらの細胞と細胞をつなぐ働きを助け、血管や筋肉などの結合組織を作ります。このほかに、ビタミンCは生体内でビタミンEと協力し、活性酵素を消去して細胞を保護します。

葉酸は緑葉野菜に多く含まれています。大豆100gに260㎍含まれますが、枝豆では320㎍に増加します。葉酸は新しい赤血球を正常に作り出すために必要なビタミンで、「造血のビタミン」とも呼ばれています。葉酸の主な役割は、タンパク質や細胞新生に必要な核酸のDNAやRNAを合成するという重要なものです。葉酸が不足すると、貧血気味になります。

大豆に多く含まれる水溶性ビタミン

大豆には水溶性ビタミンだけでなく、脂溶性ビタミンであるビタミンEも多く含まれています。脂溶性ビタミンは摂りすぎると過剰症を起こすこともありますが、大豆をたくさん食べても、それが原因で過剰摂取を起こすことはないといわれています。

ビタミンEは体内の細胞膜に存在し、副腎や肝臓、心筋、睾丸、子宮などの組織に蓄積されています。強い抗酸化作用を持っていて、過酸化脂質の生成や細胞の老化を防ぎます。血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ働きもあり、動脈硬化の予防や、生活習慣病の予防効果も期待できます。ビタミンEの含有量は大豆100gあたり24.8mgであり、野菜や魚介類などと比べて多く含まれています。