大豆のマメ知識

02 大豆の栄養は加工で変化する! ミネラルを増やす方法とは?

大豆からつくられる納豆や豆腐などの加工食品は、日本の食卓に欠かせません。大豆は加工によって多彩な味わいを生み出すのはもちろん、栄養もさまざまに変化します。なかでも今回はミネラルに注目して紹介していきます。

ミネラルは健康な体づくりや
さまざまな機能の調節に役立つ

ミネラルは炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミンと並ぶ5大栄養素のひとつで、体の調子をととのえる働きをします。人体に必要と考えられている必須ミネラルは16種類ありますが、大豆にはそのうちカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などが含まれています。

必須ミネラル一覧
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、硫黄、塩素、コバルト。

大豆に多く含まれるカリウムは、ナトリウムとともに細胞内の浸透圧を調節する働きがあり、余分な塩分を体外に排出するのに役立ちます。カルシウムやマグネシウムとともに歯や骨をつくる成分となるリンは、カルシウムに次いで体内に多く存在するミネラルです。マグネシウムは、骨の成長や強化などに働くほか、約300の酵素を活性化し、さまざまな代謝を助けます。

ミネラルを増やすなら
煎り大豆がおすすめ

大豆の加工法は主に、「煎る」、「蒸す・煮る」、「絞る」、「油を抽出する」に分けられます。なかでも、ミネラルを増やす加工法として注目したいのは「煎る」。フライパンなどで煎った大豆や、煎り大豆からつくるきな粉は、加工によってカリウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛の量が増えています。

加工法によって変化するのはミネラルだけではありません。煎り大豆ときな粉は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、ビタミンK、ナイアシンの量も増加。また、蒸し大豆でつくる納豆(糸引き納豆)と挽きわり納豆では水溶性食物繊維とビタミンB2が増えるほか、ビタミンKはそれぞれ約50倍、約30倍に増加します。

加工によって生まれる
多彩な味わいも魅力

「蒸す・煮る」はどちらも加熱する加工法ですが、加熱している間に栄養素が水に溶け出してしまうゆで大豆や水煮大豆よりも、水蒸気で加熱する蒸し大豆のほうが栄養素は多く残ります。

また「煎る」でつくるきな粉や「蒸す・煮る」でつくる納豆などの加工食品は、大豆を丸ごと食べられるので、食物繊維を多く摂取することができます。一方で、「絞る」でつくる豆乳や豆腐は、製造工程でおからを取り除くため大豆を丸ごと食べることはできません。ただ食物繊維が豊富なおからを取り除いた結果、消化吸収がよくなるという利点もあります。

大豆は加工すると栄養素が増えるのはもちろん、「煎る」では大豆そのものの風味が変化します。また加工法ごとに、納豆、味噌、醤油、豆腐など、多彩な姿に変化して独特の味わいが生まれるのも大豆ならではの魅力です。