インタビュー

毎日の食事に大豆を取り入れることをおすすめします(ソイフーズカウンシル(The Soyfoods Council)事務局長 リンダ・ファンクさん)

大豆食品のグローバルなプロモーションを行う、ソイフーズカウンシル(The Soyfoods Council)事務局長のリンダ・ファンクさんにインタビュー。カウンシルを立ち上げたきっかけや大豆製品への思い、そして今回4つのレシピを提供してくださった農場の方々との協業についてお話を伺いました。

どんなに身体に良くても
おいしくなければ食べてもらえない

私はこれまでのキャリアを通じて、チョコレートからチーズ、そして大豆まで、食品に囲まれた人生を送ってきました。私のモットーは「FOOD IS FUN!」です。

私はアメリカ食品医薬品局(FDA)が、大豆たんぱく質のヘルスクレーム(健康強調表示)を認めた直後の1999年に、アイオワ州大豆協会に入職しました。ヘルスクレームの認可をきっかけに、食品業界は多くの食品に大豆たんぱく質を取り入れる方法を模索するようになりました。大豆製品がもたらす多くの健康効果について認知度を高めるために、私は The Soyfoods Councilを立ち上げました。それから私の魅力的でおいしい旅が始まったのです。

当初は大豆がどのようなものかよく知らず、大豆と大豆食品の世界を探求する冒険の日々でした。アメリカ大豆輸出協会(USSEC)の立石雅子日本副代表とともに、さまざまなイベントに参加することがあり、これまでに7、8回日本を訪れ、その度にできるだけ多くの大豆製品やレストランの料理を味わっています。家に帰った後、そのアイデアを毎日の料理に取り入れる方法を模索し、ウェブサイトやプレスリリース、パンフレット、料理本、メディアインタビューなどを通じて発信。さらに栄養士、料理人、インフルエンサー向けのプログラムも作成しています。

私の理念は、消費者が毎日の食事に大豆を取り入れるようおすすめすることです。それをレシピの「大豆化」と呼んでいます。アメリカ人の多くは大豆を食べる習慣がなく、馴染みがありません。そのため、私は普段の料理に大豆を取り入れることがいかに簡単かを皆さんに伝えています。子どもたちにも大人気の「枝豆」は、大豆を楽しむ最も簡単な方法です。他にも「味噌」「豆腐」「ソイプロテイン」などを紹介しています。消費者や料理人に「簡単だからできる!」と言ってもらえることが目標です。

常々、大豆たんぱく質の健康効果は大豆の「理由」であり、レシピは「方法」であると言っています。そしてその「理由」を伝えるために大事なのは味です。おいしくなければ、どんなに健康に良いものであっても食べてもらえません。

大豆は世界中の人々に
とても重要なたんぱく質

収穫期のコンバインに乗るクリス・ゲッサーさんとシャノン・ゲッサーさん

アイオワ州大豆協会では、大豆農家と協力できることを大変嬉しく思っています。農家は高品質で持続可能な方法で生産された大豆を、世界中に提供することに熱心に取り組んでいます。その中で私は、アイオワ州コーニングで農業を営む、クリス・ゲッサーさんとシャノン・ゲッサーさんという素敵な若い夫婦と知り合いました。二人が営むゲッサー農場は、1977年にクリスさんの父・レイさんと母・エレインさんによって始まりました。クリスさんのご両親は、元々数百エーカーだった土地を 5,400 エーカー(約22平方キロメートル)まで拡大しました。

トウモロコシは地元のエタノール工場用に、大豆はスタイン・シード・カンパニー用に生産されていましたが、 2012年からクリスさんは被覆作物(カバークロップ)の種子用にライ麦を栽培しています。そして2020年、クリスさんとシャノンさんは、アイオワ州の特産品をもっと使いたいと考えていたレベルトン・ディスティリング社と、ウイスキー用のライ麦の栽培について話し合いを始めました。ゲッサー農場では、最新の技術や革新的な種子、設備を使用し、資源を保護・強化するための新しい実践方法をテストし続けています。土地への配慮が最優先事項と考えるゲッサー農場は、1991 年以来 、100% 不耕起栽培を続けており、2010 年からは被覆作物を植えています。ゲッサー家は学んだものを人々に教えることを信条としているため、農場でフィールド・デーを開催し、近隣住民、研究者、議員を集めてベスト・プラクティスを共有しています。

クリスさんとシャノンさんは食通で、一緒に料理をしたり、新しいレシピや食材を探すのが大好きです。最近はアメリカでも、心臓によいたんぱく質として「豆腐」が多くのレシピで使用されています。2人は豆腐について、カロリーを抑え大豆たんぱく質のすべての利点を得られる食材だと考えています。ご夫婦お気に入りの豆腐レシピをいくつか紹介しましょう。

アメリカの人々は日本の人々と同じようにデザートが大好きです。課題は、デザートに大豆たんぱく質を少し加えて健康的なものにすること、そして、人々に豆腐を楽しんでもらうことです。そこで2人は、レモンプリンやチョコプリンに絹ごし豆腐を使用。これらのデザートを提供することで、人々に喜んでもらえます。また簡単に作れることは、忙しいライフスタイルや家族を持つ消費者にとっても重要です。

大豆は世界中の人々にとって非常に重要なたんぱく質です。皆さんもぜひ、魅力的でおいしい大豆の旅をお楽しみください。

【PDF】Linda Funk, Executive Director, The Soyfoods Council

リンダ・ファンクさん(ソイフーズカウンシル(The Soyfoods Council))、ポール・マーフィー=スプーナーさん(全米大豆基金財団(USB))大豆農家向けに大豆食品のデモンストレーションを実施。

ソイフーズカウンシル(The Soyfoods Council)事務局長

リンダ・ファンクさん

40年以上にわたり、食品マーケティングに携わる。アンブロシア・チョコレートとペプシコーラという2つの大手食品・飲料メーカーと、ウィスコンシン・ミルク・マーケティング・ボード(WMMB)とアイオワ大豆協会という2つの最大規模の商品協会で、広範囲に及ぶ経営経験を積んできた。ソイフーズカウンシル(The Soyfoods Council)の設立事務局長であり、23年間にわたり同協議会の役員を務める。大豆食品に特化したデジタル料理本を2冊共著し、そのうちの1冊は "Best in the U.S."を受賞。2022年グルマン世界料理本大賞受賞。大手食品・飲料メーカーや商品協会との協働を専門とし、対面イベント、世界中の料理学校、主要出版物への掲載、10カ国以上への出張などを通じて、大豆食品の国際的なプロモーションを行っている。彼女のクライアントは、NBC Nightly News、A&E、National Public Radioなどの主要放送メディアで紹介されている。